飲んだ翌朝、身体がラーメンを求める瞬間があります。濃い一杯で無理やり叩き起こすのもよし、柚子や昆布のやさしいスープでそっと戻すのもよし。
六本木・麻布十番・西麻布は、そのどちらの気分にも応えてくれるラーメン激戦区。老舗の一杯から、行列の新鋭、痺れる変化球まで、狭いエリアに驚くほどの層が詰まっています。今回は二日酔い飯がこの界隈で食べ歩いた記録から、その日の胃袋に合わせて選べる8杯をまとめました。まずは、飲んだ翌日にこそ効く王道から。
一番好きなラーメン屋として真っ先に名が挙がる六本木の老舗。近年は食券制に変わり、名物の「麺バリ」も券売機で選べます。醤油麺バリ950円は、濃いめの醤油の輪郭のあとに豚骨のコクと魚介の旨味が追いかけ、濃いのに後味はすっきり。西山製麺の黄色い縮れ麺を硬めに仕上げると、スープの持ち上がりが際立ちます。しょっぱさすら癖になる、中毒性のある一杯。飲んだ翌日に無性に恋しくなる原点の味です。
六本木ヒルズ・メトロハットにある、白壁と黒暖簾のスタイリッシュな一軒。深酒明けに選びたいのが柚子辣湯麺1446円。着丼した瞬間に柚子が香り、辣油と唐辛子パウダーのピリッとした刺激が、じんわりと眠った胃を起こしてくれます。ガツンではなく弱った日でも受け止められるやさしい辛さで、柚子の酸味と鰹の旨味が追いかける。真空手もみ麺や炙りチャーシューも選べます。さっぱり系で復活したい朝に。
えびそば一幻の跡地にできた、利尻昆布出汁のラーメン店。くろおびラーメン1200円は、昆布の旨味に魚介系の出汁が重なり、ほっとする飲み口。麺は細めのストレートで、さっぱりしつつスープとよく合います。チャーシューとロース、メンマ、味玉、海老ワンタンと具材が豪華で、それをやさしいスープが包む構成。ぷっくり大きな辛餃子はスープに落として食べても楽しい。飲んだ翌日に沁みる一杯です。
東京ミッドタウン横にでき、オープン直後から行列する話題店。東久留米の本店の系譜です。ポルチーニ醤油らぁ麺980円は、麺が整然と美しく盛られ、ポルチーニの風味が口いっぱいに広がる。名古屋コーチンの鶏スープを軸に、黒豚・ムール貝・伊勢海老を合わせた「カルテットスープ」が深いコクを生みます。柚子と鶏節の宝卵かけご飯400円との合わせもよい。きれいな一杯で気分を上げたい日に。
熊本発、自社で麺を作るつけ麺店。看板は鰹昆布水のどごし生麺1300円で、平べったい麺が鰹昆布出汁の水に浸かって照りを帯び、つるつるの喉越し。食べ方の案内に沿って味わえます。中華そばのほか「罪なき二郎」1500円もあり、二郎系までカバーする懐の深さ。麺そのものを味わいたい麺好きに向く一軒です。
銀座に本店を構える、痺れ麻婆麺の店。六本木ヒルズのメトロハット地下にあります。麻婆はREDHOT・カレー風味のYELLOW・イカスミのBLACKなどから選べ、麻婆麺BLACK1300円は見た目こそ真っ黒ながら、まろやかな辛さにピリッとした痺れ。旨味たっぷりの肉とイカスミのコクが重なります。ぶどう山椒オイルを足せば痺れ増し。定番ラーメンに飽きた日の変化球に。
白菜が主役の、澄んだスープで知られる大阪発のラーメン。麻布十番店ではタブレット注文で会計も自分で行う気軽さ。野菜いっぱいラーメン1100円は、醤油でも豚骨でもない澄んだ味わいに深いコクがあり、たっぷりの野菜でバランスがよい。一度でハマらなくても通ううちに好きになる、と言われる独特の味。胃にやさしく野菜を摂りたい日にちょうどいい一杯です。
西麻布に長く続くとんこつラーメンの一軒。とんこつが得意でない人でも通いたくなる味です。チャーザーサイめん1120円は、強いとんこつの風味と旨味が広がりつつ、独特の臭みがなくさっぱり飲める。カエシの醤油も強めに効いて、刻みザーサイと薄切りチャーシューが好相性。ランチは高菜ご飯を+200円で。コロナ前と変わらぬ佇まいの安心感で、食べ歩きの締めにも向く一杯です。
| 店名 | 場所 | 名物 | 予算感 | こんな日に |
|---|---|---|---|---|
| 天鳳 | 六本木 | 麺バリ(醤油・豚骨・魚介) | 950円 | 二日酔いの原点、濃いのが欲しい朝 |
| AFURI 六本木ヒルズ | 六本木 | 柚子辣湯麺(柚子・辣油) | 1,446円 | さっぱり+辛味で胃を起こす |
| くろおび | 六本木 | 利尻昆布ラーメン(魚介) | 1,200円 | やさしく沁みる翌日 |
| 入鹿 TOKYO | 六本木 | ポルチーニ醤油らぁ麺(鶏+四種スープ) | 980円 | きれいな一杯で気分を上げたい |
| 富喜製麺研究所 | 六本木 | のどごし生麺(自家製つけ麺) | 1,300円 | 麺そのものを味わう |
| 蝋燭屋 プレミア | 六本木 | 痺れ麻婆麺BLACK | 1,300円 | 辛い変化球が欲しい日 |
| どうとんぼり神座 | 麻布十番 | 野菜いっぱいラーメン(白菜・澄んだ醤油系) | 1,100円 | 野菜を摂りたいヘルシー日 |
| 赤のれん | 西麻布 | チャーザーサイめん(とんこつ) | 1,120円 | 締めのさっぱりとんこつ |
同じ「ラーメン」でも、天鳳の麺バリで無理やり起きる朝もあれば、AFURIの柚子でそっと戻す朝もある。六本木・麻布なら、その日の胃袋の声に合わせて一杯を選べます。飲みすぎた翌日の一杯が、あなたの復活の合図になりますように。
今日もおいしいモノに出会えますように!

